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自然免疫系と獲得免疫系
がんを攻撃する免疫システムには「自然免疫系」と「獲得免疫系」の2種類があります。自然免疫系は体内の異物をすみやかに発見して攻撃し、獲得免疫系は抗原(体に免疫反応を起こすもの)であるがんに対して、抗体(異物を排除するために体の中でつくられるもの)をつくり攻撃するシステムです。
自然免疫系は素早く攻撃しますが、攻撃力が弱い上に、がんが自分たちへの攻撃にブレーキをかける仕組みによって抑えられ、再発が起きます。獲得免疫系はがんが増え広がらないようにする力を持ちますが、やはりがんへの攻撃にブレーキがかかる仕組みで無力化されます。これまでのがん免疫治療はそのために効果が不十分でした。また、体外で育った細胞は体内に戻されても1~2週間のわずかな期間しか存在できず、効果は短期間です。
NKT細胞は、患者様ごとに異なるヒト白血球抗原といわれる白血球の血液型に拘束されることがなく、また、すべての人が共通に持つ抗原受容体(=体内に侵入した異物を認識する分子)を持つため、すべての人のすべての種類のがんを強い力で攻撃します。さらに、体内で大量に生まれ免疫反応の増強や制御を行うサイトカインが「T細胞(獲得免疫系)」と「NK細胞(自然免疫系)」の2種類の免疫系を強く活性化し働かせます。
NKT細胞は、血液の中で免疫反応に深い関わりを持つリンパ球の内で、0.1%にも満たない非常に少ない成分でしかありません。しかし、ひとたび活性化されると人の体を守る免疫機構を長期間にわたり維持させます。その期間は実験用マウスの肺においては9ヶ月間といわれています。

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