治療の流れ
リケンNKTは手術や放射線治療のような体に負担の大きな医療行為がないばかりか、悪い影響を及ぼす副作用が少ない優しい治療法です。
抗がん作用の強い自己免疫細胞を育てる治療方法であり、採血によって血液をいったん体外へ取り出し専門の施設で有効成分を育てます。
育った細胞を皮下注射で患者様の体に戻すことによって、抗がん作用の高い患者様自身のNKT細胞の働きを高めることができます。
1. カウンセリング
医師が患者様の病気の経過や治療の状況、さまざまな検査データなどを踏まえた上で健康状態について事前に尋ねさせていただきます。
次に、リケンNKTの詳しい治療内容の説明と、考えられるリスクや費用、約束ごとなどについてもこの時点で説明させていただきそれらをご理解、ご納得いただいた上で治療を望まれる患者様は、厚生労働省の指定する治療同意書にご署名をお願いしております。
リケンNKTの治療を受けるにあたり、患者様には事前に感染症の有無などの必要な検査をさせていただきます。
事前の検査では、患者様の血液状態がこれからの治療に対し問題のないことを調べるため、血液検査などをお願いしています。
治療を望まれる患者様は、初回カウンセリングで血液検査を実施させていただくこともできます。検査結果に問題がなければ、血液から特定の成分だけを採血する成分採血のご説明と、ご予約の案内をさせていただきます。
2. 培養前成分採血
治療の第一歩は成分採血から始まります。成分採血は患者様の血液から特定の成分だけを採血する成分採血装置用をいます。
血液を採血しながら遠心分離機にかけ、機械の中で質量分析を行い、必要な成分のみを採取して残りの成分を再び体内に戻します。患者様の血液の状態、血管や身体の状態によって、採血にかかる時間は変わります。
当院ではCOM.TECという血液成分分離装置の採用で、従来は3~6時間かかる行程が1時間半~3時間程度と半分の時間で終えることができ、患者様の負担を軽減しています。治療後ご休息の後、帰宅が可能となります。
両腕から成分採血
※血液成分分離装置 COM.TEC
成分採血中にテレビをご覧いただくこともできます。
3. 培養
血圧を測りながら、遠心分離機で成分採血を行います。
成分採血をした血液組織は、成分の安定を保ちながら厚生労働省が認可した細胞培養センターに送られます。血液組織はセンターに到着するとともに、成分を活性化させるプロセスを開始します。
成分の活性化行程では、血液細胞をじっくりと熟成化させ、体内のNKT細胞の働きを高める力を充分に蓄えさせます。
育てられた血液細胞の数が一定数に達し、成分活性化のプロセスが終了して出来上がった目的細胞は、 厚生労働省の規格に適合しているかどうかが確認されます。さまざまな無菌検査や毒性検査などの品質検査にパスし、人に無害な目的細胞だけが液体窒素で冷凍され極低温環境で保存されます。これらの行程におよそ3週間かかります。
採血された成分を培養センターへ送ります。
※1 バイオアクセル株式会社 京大桂ベンチャープラザ
細胞培養加工施設
※2 採取した細胞は1年間冷凍保存可能
4. NKT標的治療薬の投与
病院から反対されている患者さんへ
育てられた目的細胞は、基本的に皮下注射で患者様の体内に戻されます。
以前は、治療に有効な量の細胞を注入するには点滴が一般的でした。しかしリケンNKTの技術革新により必要量をごく少量に凝縮できたことで、皮下注射による投薬が可能となりました。
目的細胞の投与に必要な時間は5分程度です。投与時間や次回投与までの期間は患者様の体調に合わせて調整いたします。通常投与は4回に渡って行われます。投与するごとに体内のNKT 細胞は、段階的に活性化していきます。